古いブロックの倒壊する強度とは

今回はブロックが倒壊する理由など考えてみました。
先日の台風24号の風は私の住んでるつくば市でも、かつて感じたことが無いような強風でしたね、皆さん轟音と家の揺れで寝れなかったのではないでしょうか。私の自宅にはテラス屋根やら車の車庫の屋根やらある為、飛ばないように補強したのですが、一枚だけ吹っ飛んでいきました。探したけど見つからず・・・。

 

この台風のせいで、あちこちから仕事の依頼がありましたが、その中でも結構これは問題な現場がありました、なんとブロック塀が強風で傾いています。

 

古いブロックの倒壊する強度とは

 

風で普通倒れる??って感じで送ってもらった写真を見ましたが、傾いてる上3段が後から積んであるのが分かりますね。

つまり最初から積んであったブロックと後から積んだブロックの接合が強度不足なのはすぐ分かったので、これは倒れたら隣がアパートの駐車場にあたる部分であり、人通りもある為、大阪の事故と同じこともあり得ると思い急いで朝一で解体しに行きました。
いざ現場に着きましたら、元請けの方がパイロンで人が入れないようにしてましたので、ひとまず安心しました。

そして傾いた原因を探るべく接合部分を覗いてみると縦に鉄筋が入ってる感じがしないのです。現状はお隣の倉庫にブロックの上に付いているフェンスのみで寄りかかっていた為、そこまで負荷はかかってないのかな?と思い、一応縦の鉄筋が入っていてなんとかこの重いブロックをぎりぎり支えてるのかなと思ってました。

いざ解体しましたらなんと、鉄筋が入ってません!

 

古いブロックの倒壊する強度とは

 

これでは風で傾くはずです・・・。もし倉庫に寄りかかっていなかったら間違いなく倒壊してましたよ、ましてやアパートの通路にもなっていた場所だったので、一歩間違えれば人が怪我してましたね、下手するととんでもないことにもなってました。
この工事はもうかなり昔に積まれたらしいですけど、よく今まで倒れなかったなと。施工した人は職人では無かったのかもしれませんが、素人でも倒れると容易に想像できると思うのですが、とりあえず解体撤去したのでひとまず安心です。

昔のブロック塀の解体でよく見るのが鉄筋は入っているのですが、もうその鉄筋が錆て細くなってしまい、ほとんどその効果が無い事になります。

鉄筋をただ入れれば良いというわけではなく、きちんとモルタルを入れてモルタルの中の空気を抜いて充填しないとすぐ鉄筋なんて錆びてしまいますよ。

ブロックの土台となるベース基礎もそうですけど、ただ厚みがいくつだの幅がいくつだのって、そんなマニュアル通りに考えるだけでは完全ではないと考えてます。(捨てコンでチョロっと撒くだけの業者は論外)

きちんとやったつもりでもその下の土がどうしようもなく柔らかかったりしたらその基準も違いますよね。やっぱり経験を重ねて考えてその都度変えていかないといけないと思います。それをきちんと考えている職人がどれほどいるのかなぁ?

私達の施工はもちろんそういう細かい事まで気にしてやってます!